代表 木村黒バック写真 コラム「組織の成長加速法」-第13話 衰退組織には、言い逃れがある、成長組織には、覚悟がある

13-02

セミナーの後にある経営者の方から経営幹部に関する相談をいただきました。

何人かいる経営幹部の一人の組織で、退職が相次ぎ、売上げが伸び悩んでいるとのこと。
話を聞いていきながら、一つの問題点が浮かんできました。

その問題点というのは、その幹部がコミットメントをしないこと。

この事例に限らず、業績が今ひとつな組織にはちゃんと理由があります。
その一つは、言い逃れの文化です。責任の所在が不明確。

もちろん、成果が上がるわけがないので、組織は徐々にそして確実に衰退していきます。

通常の組織ですと、最終責任者は組織のトップになるのですが、
ぱっとしない組織では、トップが知らぬ存ぜぬの一点張りだったり、
そもそも当初からコミットメントしないことが当たり前になっていたり、
というのが、特徴です。

 

 


 

外の人からみると、そんな馬鹿な、と思うのですが、
 ・やるべきことができない。
 ・決まったことが実行されない
 ・期日が守れない

こうしたことが横行するのです。

当然クレームも発生します。

クレームは衰退組織だけでなく、成長組織でも発生します。
クレームが起こることは究極的に無くすことはできません。

ところが、衰退組織では、同じようなクレームが繰り返し起こります。
これが問題です。

これが言い逃れ文化の賜です。

言い逃れ文化は、局所的な病ではなく、全身の病です。

経営者と役員、役員と部長、部長と課長、課長と、、、
という組織の様々な層で、この問題が起こっているのです。

本人達には、まるで悪気がありません。
多くの場合はその問題の存在にすら気がついていません。

 


 

・コミットメントがない。
 ・言い逃れが横行する。

誰もが、こんな組織を望んではいません。
誰もが、こういう組織で働きたいとも思っていません。
ましてや、経営者このような組織を作りたいはずがありません。

ところが、知らず知らずこうした組織ができてしまいます。

マネジメント技術を持たず、虚勢を張るリーダーの元でこうしたことが起きやすい印象です。

いずれにしても、とにかく早くこの状態から抜け出さないと
組織がボロボロになってしまいます。

 


こういう組織を変える手法はあります。
しかも出来るようになってから振り返ると、取るに足りないようなシンプルな手法です。

ところが、こうした組織の変革をする過程にはもう一山あるのです。
経営者と私で、課題と原因を明確にし、解決策まで共有しても、これがうまく動かない。

レシピを渡しても、どういうわけか途中で我流に戻ってしまいます。

もうくせになってしまっているのです。
これが文化の怖いところです。

 


一方、成長組織の場合は、成果を出すことの基準が違います。
例えば、予算達成は、最低条件です。

「達成できないと恥ずかしい」
「達成できないと迷惑をかける」
「未達のところの分を自分のところで取り返す」

というのが基準。
コミットメントすることが当たり前なのです。

これも、局所的なものというよりも、全組織でそうなっています。

一見、気合い、根性の違いのように見えますが、そうではありません。

コミットメントすることが当たり前の組織は、対話が違います。

上司と部下の対話で打ち手が話し合われるとすぐに行動をとれる具体策が対話の結論としてでてくるのです。

なので、とてもいい循環ができあがります。

1.結果にコミットする
 2.コミットメントを実現するために打ち手を考える
 3.着実に進めるために、具体的な打ち手とステップが決まる
 4.だから、コミットメントが達成される

という具合。

こうして聞けば、誰も異論を挟む余地はありません。

 


こうした言い逃れ文化の根源をたどると必ず社長に行きつきます。

大概、このことに気がつくと多くの経営者は驚きます。

最初はほんの些細なことなのですが、対処法を誤るので、
マイナス文化のきっかけを作ってしまうのです。

「こんなことありませんでしたか?」
「こんなことありませんか?」

という問いかけに対して、
「確かにそうだ」
「確かにそうなっている」
という答えが返ってきます。

ここまでくれば、もう一息。

このように、
この言い逃れ文化からの脱却は、経営者の覚悟が大前提です。

 


さて、御社の場合はどうでしょうか?
幹部全員とその幹部の組織文化は、覚悟に満ちた組織でしょうか?

それとも言い逃れが許される組織が残っているでしょうか?

言い逃れ文化は、放置すると全社に広まりかねません。

早めの治療が肝心です。